女性の薄毛が増える原因
昔から髪は女の命とも言われていますが、最近では、多くの女性が薄毛に悩まされています。
男性の薄毛の場合は、ほとんどがおでこの生え際、頭頂部が局地的に薄くなるAGAですが、女性の場合は、髪の毛全体が薄くなるびまん性脱毛症が大半です。ここでは、女性の薄毛が増える原因を説明します。
社会進出によるストレスの増加
近年、女性の社会進出に伴って、女性の懐事情は大幅に上がり、多くの物欲を満たすことができるようになりました。しかし、それと引き換えに非常に多くのストレスを受けるようにもなりました。
人類誕生から近年までは、女性の仕事と言えば、主に子育てでした。もちろん、子育ても大変で、たくさんのストレスが貯まりますが、子育てに関しては、長い歴史の中で積み重ねがあります。
なので、女性が持つ子育てに対するストレス耐性は、男性に比べる非常に高いものがあり、少々のことではストレスとは感じないような体の構造に進化しています。
しかし、社会に出て仕事をする時に発生するストレスというのは、子育てのストレスとは違います。残念ながら、そのようなストレスに対する耐性は、決して高くなく、多くのストレスを感じてしまいます。
そして、過度なストレスによって
- 食欲不振
- 睡眠障害
- うつ病
- 女性ホルモンの乱れ
などの様々な症状が出てしまいます。
これらの症状は、ほとんどセットみたいなもので、食欲不振に陥っていれば、うつ病になりやすく、うつ病になれば、女性ホルモンの分泌は乱れやすくなります。
食事や睡眠が髪を作る
食欲がなくなると、当然必要な栄養が不足します。すると、髪の毛を成長させるための栄養が不足し、抜け毛の原因となります。
また、髪の毛というのは、成長モルモンの分泌によって頭皮にある毛母細胞や毛乳頭が細胞分裂を行い、成長します。そして、この成長モルモンの分泌というのは、夜私たちが寝ている時に分泌されます。
なので、睡眠障害によって、質の良い睡眠をとることができなければ、成長ホルモンの分泌量が少なくなります。すると、髪の毛の成長が止まるので、細い毛が増え、全体のボリュームがなくなります。
睡眠と食事は髪の毛の素となるものなので、しっかりととるようにしましょう。
女性ホルモンの乱れから薄毛になる
女性においては、髪の毛と女性ホルモンは切っても切り離せないものです。
よく更年期を迎えた女性は抜け毛が多くなり、髪が薄くなると言いますが、これは女性ホルモンが減少したためです。
実は女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、髪を作り出し、成長させるのを助ける働きを持っています。なので、更年期になり、女性ホルモンの分泌が減少すると、このエストロゲンも減少し、髪が作られにくくなり、ボリュームがなくなります。
ストレスによる女性ホルモンの乱れもこれと同様に、正常なホルモン分泌ができなくなってしまうために、まだ若いにも関わらず、髪の毛が細くなり、抜け毛が増えていきます。
ですから、女性の方は特にストレスとの付き合い方をしっかりとし、自分なりのストレス発散手段を持つようにしましょう。
カラーリングやパーマのやりすぎ
雑誌などで、綺麗なモデルさんが色々な髪型や服装をして、おしゃれを楽しんでいるのをみると、つい髪型やファッションを真似したくなりませんか?多分多くの女性がモデルさんのファッションや髪型を真似したりして、お洒落を楽しんでいると思います。
そして、そのためには、カラーリングやパーマは欠かせないものですが、カラーリングやパーマをやりすぎてしまうと、頭皮にダメージを与え、薄毛になってしまうので注意が必要です。
カラーリングによる頭皮ダメージ
では、なぜカラーリングが頭皮にダメージを与えるのかを説明します。
カラーリングの時に使用されるカラーリング剤には、PPDと言われる化学物質が含まれています。このPPDは、少し皮膚に触れるだけでも、頭皮がただれや接触性皮膚などのアレルギー症状を引き起こします。
そして、髪の毛の色を変えるためには、髪の毛の内部にまでこのPPDを浸透させなければなりません。すると当然、頭皮には大きなダメージを与えます。
パーマによる頭皮ダメージ
次に、なぜパーマが頭皮にダメージを与えるのかを説明します。
パーマというのは、髪の毛本来のシスティン結合を切断し、ストレートやウェーブなどの望みのヘアスタイルに変えてから、再結合します。
この1連の流れの中で、システィン結合を切断する際に使うパーマ液は、非常に強いアルカリ性です。ですから、直接頭皮に触れてしまうと、接触性皮膚炎、頭皮のかぶれ、頭皮のかゆみ、頭皮の赤みなどを引き起こしてしまいます
そうなれば、当然頭皮にも大きなダメージを受けてしまいます。
対策として
カラーリングやパーマから頭皮を守るすなわち薄毛にならないようにするためには、施術から次の施術までの期間を空けるようにしてください。
期間をあければあけるほど、頭皮のダメージも回復するので、ダメージが蓄積されません。最低でも、2ヶ月くらいは間隔を空けるようにしましょう。
また、カラーリングやパーマにおける頭皮ダメージというのは、担当する美容師さんの腕にかなり左右されるので、腕の良い美容師さんに施術してもらうのも有効な対策と言えるでしょう。
生活習慣の乱れ
少し前までは、生活習慣が乱れるといえば、一部を除きほぼ男性でしたが、ここ最近では、女性においても生活習慣が乱れてきています。
その中でも薄毛の原因となりうるものは、下の3つです。
- 睡眠不足
- 過度なダイエット
- 喫煙
最近では、インターネット等の普及による夜型生活になり、睡眠量・質が共に低下しています。睡眠不足と薄毛との因果関係については、上の『ストレスにおける睡眠障害』と同じようなものなので、詳細は省きます。
過度なダイエットが薄毛を進行させる
多くの女性が1度は経験したことがあるダイエットですが、ダイエットのやり方によっては、薄毛を招く危険性があります。その中でも急激な食事制限だけのダイエットや食事抜きのダイエットは、特に危険です。
その理由として、ダイエットによる急激な栄養やカロリーの低下が起こると、脳が緊急事態であると判断します。
すると、少量の栄養分を生命維持のための臓器(心臓や脳)のみに送り、髪の毛への栄養供給を無くしてしまい、髪の毛が成長できなくなります。
また、必要カロリーを摂取できない場合には、ホルモンのバランスを崩し、髪の毛成長に必要なエストロゲンの分泌も大幅に減少します。
すると、同様に髪の毛がたくましく成長することができません。
このように過度な食事カットダイエットは、あなたの髪の毛をやせ細らせ、薄毛へと追い込んでしまいます。ですから、ダイエットをするにしても、必要な栄養分は確保し、しっかりと運動して痩せるダイエットをするようにしてください。
喫煙も薄毛の原因になる
タバコは百害あって一利なしと言われていますが、髪の毛に関しても悪影響を及ぼします。そして、その結果として、髪の毛のボリュームがなくなってしまいます。
その1番大きな理由が、喫煙による女性ホルモンの分解です。実は、喫煙することで、女性ホルモンを分解してしまい、分泌量を減らしてしまいます。
上のストレスのところでも書きましたが、女性ホルモンは、太く、美しい髪の毛を作る働きを持っています。そして、その分泌量が減ってしまうということは、当然髪の毛の密度が減り、薄毛になってしまいます。
女性ホルモンは、女性にとっては非常に重要なものですから、しっかりと守ってあげましょう。
また、タバコが薄毛を進行させる理由は他にも、
- 血液循環の悪化による頭皮の栄養不足
- 活性酸素による頭皮細胞へのダメージ
などがあります。これらについて詳しく知りたい方は、下のリンク先を見てください。
夜寝る前にシャンプーしない
1980年代後半朝シャンが流行したことによって、夜にシャンプーしない人が増えてきました。
もちろん今では、そのブームは無くなりましたが、調査によると全体で2割弱の人が夜にシャンプーせずに、朝にシャンプーしています。女性だけを対象にした場合、もう少し多くなるかもしれません。
確かに、女性であれば、シャンプーのいい香りを漂わせて、出勤したいと考えたくもなりますが、夜にシャンプーしないでいると、薄毛になる可能性が高くなります。
その理由としては、
- 菌、ダニが繁殖しやすくなる
- すすぎを十分にできない
などがあります。
菌、ダニの繁殖
夜シャンプーをせずにそのまま寝てしまうと、1日の活動で出た汗や付着したホコリ等が頭皮内にそのまま残ってしまいます。そして、その状態で寝ると、寝ている間に、汗と一緒に皮脂が大量に分泌されます。
夜シャンプーせずに寝ると、次の日の朝には、髪の毛が油でにちゃにちゃしませんか?それは、前日の汚れに寝ている間の大量に皮脂が上乗せされて、髪や頭皮が皮脂まみれになっています。
すると、それらを餌とする常在菌がそれを食べてどんどん繁殖するので、頭皮環境が崩れてしまい、フケや匂いが発生します。また、それらの常在菌のフンなどが、アレルギーの元となったり、毛穴を塞いだりして、頭皮が炎症を起こします。
頭皮が炎症を起こすと、毛母細胞や毛乳頭が正常に働くことができなくなるので、髪の成長がストップし、髪の毛が痩せ細ってしまいます。
すすぎをしっかりできない
はたして、朝の通勤・通学で忙しい時に、丁寧にシャンプーをしたり、シャンプー剤を洗い流すことができるでしょうか?
それは、無理だと思われます。
そうなると、十分なすすぎができず、シャンプー剤がまだ髪や頭皮についている状態で髪の毛を乾かすので、それらの残りカスが頭皮にこびりついて、毛穴を塞いでしまいます。
すると、本来毛穴から分泌される皮脂などが、毛穴の中に溜まり、頭皮内が炎症を起こします。すると、同じように髪の成長がストップし、髪の毛が痩せ細ってしまいます。
寝る前にしっかりとシャンプーする
ですから、そのような頭皮の炎症を起こさないすなわち薄毛にならないようにするために、しっかりと夜にシャンプーをするようにしましょう。
朝シャンについてさらに詳しく知りたい方はこちらのページを読んでみてください。
女性がなりやすいびまん性脱毛症とは
最後に女性の薄毛として最も多いびまん性脱毛症について簡単に説明します。
びまん性脱毛症は頭皮内にある毛乳頭や毛母細胞の活動が低下する(頭皮内の代謝が落ちる)事によって、髪の毛が細くなったり、1本の毛穴から出てくる髪の毛の本数が減ります。
正常な場合であれば、1本の毛穴から2~4本の髪の毛が生えていますが、びまん性脱毛症では0~1本しか生えてこなくなります。そして、そのような状態が毛穴のあちこちで起こると、髪の毛のボリュームが減り、地肌があらわになります。
女性の場合、分け目付近を中心として薄くなるパターンと頭頂部を中心として薄くなるパターンが多い傾向にあります。
びまん性脱毛症の治療について
びまん性脱毛症の治療については、
- 育毛剤による治療
- 自毛植毛手術による治療
- それ以外の外科的施術による治療
の3つが主な治療法となります。
どの治療法が1番良いのかと言うのは、現在の進行具合や懐事情などにもよりますが、手軽に始める事ができ、1番費用対効果の高い育毛剤治療を始めるのが良いでしょう。
もっと詳しくびまん性脱毛症の治療について知りたい方は下のリンク先に詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
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