頭皮にふけができる原因とその対策
ここでは、フケとはどういうものか、どんな種類があるのか、また、なぜフケがでてくるのかなどの疑問について説明します。
フケとは
まず、フケ(頭垢)とは、頭皮からでてくるウロコの形をした白い老廃物の事を言います。
頭皮における新陳代謝によって古い角質層が取れたものなので、特別に病気というわけでもありません。ちなみに大きさは1mmくらいから大きいものでは1cmくらいあります。
左側にフケを電子顕微鏡で撮影した写真( WIKIPEDIAより )を載せています。
さて、このフケが髪の毛や肩に付着していた場合、病気では無いとはいえ、他人にはものすごい不快感を与えてしまいます。もしかすると、不潔のレッテルを貼られてしまうかもしれません。
そうならないためにも少しフケについて知識をつけ、フケが発生しないような頭皮にしていく事が重要です。
実はこのフケと言われる老廃物は、大きく分けて2つの種類があります。頭皮が皮脂過剰状態になり、それを餌とするマラセチア菌が増殖することによってできる脂性フケと、皮脂が少なくなり、頭皮が乾燥することによって、角質が落ちていく乾性フケです。
脂性フケはギトギトして大きい
マラセチア菌が分泌した酵素(酵素リバーゼ)が頭皮にある皮脂を脂肪酸に分解します。そして、マラセチア菌が増殖すると、脂肪酸の量が増え、頭皮が炎症を起こし、脂性フケとなります。すなわち脂性フケはマラセチア菌が増殖するため、すなわち菌の餌が増える事によってできます。
早速、マラセチア菌が増殖する(皮脂等の餌が増える)原因について説明します。
食事における栄養の偏り
頭皮内の皮脂が増える理由として一番最初に考えられるのが、高カロリーかつ栄養バランスの偏った食事です。例えば、スナック菓子や炭酸飲料などのジャンクフードなどがその典型的なものです。
『 ご飯に唐揚げやポテトなどの揚げ物を食べ、喉が渇けば炭酸飲料を飲み、そして、おやつには、甘いケーキやお饅頭♪♪ 』などの食事スタイルはやめてください。
なぜなら、高カロリー+高カロリー+高カロリーの組み合わせの場合、毛根近くにある皮脂腺から大量に皮脂が分泌されてしまいます。
では、なぜ高カロリーな食事や栄養バランスの悪い食事の場合、大量の皮脂が分泌されるのでしょうか?
まず1つ目の理由は、高カロリーの食事は、あまりにも脂質が多いためです。脂質の量が多すぎると、それが体内の酵素では分解しきれずに、血液中に流れ込みます。そして、血液中の余分な脂肪を排出させるために、皮脂腺の活動が活発になり、多くの皮脂が頭皮に分泌されます。
2つ目の理由としては、高カロリーの食事は、ビタミンやミネラルなどの栄養素がほとんどないからです。これらの栄養素、特にビタミンB2は脂肪の代謝を良くし、ビタミンB6は脂肪の分解を促進させる働きがあるので、血液に脂肪が流れ込むのを防いでくれます。
しかし、これらの食事はほぼ炭水化物+脂質の組み合わせなので、食べれば食べるほど、どんどん皮脂分泌が増えていき、脂性フケの発生が発生しやすくなります。
以上のことから、高カロリーで栄養の偏った食事は、皮脂を過剰に分泌させてしまうので、しっかりとバランスのとれた食事を心がけるようにしましょう。
洗髪及びすすぎ不足
また、マラセチア菌を増殖させる原因として、シャンプーによる洗髪があります。
普通、シャンプーで髪の毛を洗うことは、頭皮を清潔にするので、マラセチア菌の増殖を抑制できると考えますが、それは、正しいやり方で洗髪をした場合です。間違ったやり方で洗髪をしても、マラセチア菌を増やすだけです。
なぜなら、間違った洗髪のやり方の場合、まず、頭皮に付着している皮脂やゴミがしっかりと取れません。そうすると、餌である皮脂やゴミなどが沢山残っているので、それが積もり積もれば、マラセチア菌は増殖していきます。
また、シャンプーやリンスをした後に、しっかりとお湯ですすぎ落とさなければ、その残りカスがマラセチア菌の餌になってしまいます。すなわち、シャンプーやリンスが逆にマラセチア菌が増やしてしまうことになります。
そうならないためにも、正しい洗髪方法を身につけましょう。下に洗髪する時のポイントを載せておきます。
- シャンプーで洗う前にお湯で洗う
- 髪の毛ではなく地肌を洗う
- 爪をたてずに、指の腹で擦る
- 丁寧にしっかりとすすぐ
これらの事をきっちりと守り、洗髪をすれば、マラセチア菌の繁殖も抑えらるこができるので、今日から実践していきましょう。
ケトコナゾール配合シャンプーを使う
マラセチア菌の繁殖を抑える方法としてはケトコナゾール配合のシャンプー(ニゾラールシャンプー)剤を使うのもお勧めです。
ケトコナゾールとは、真菌症を治療する際に使われるアゾール系真菌薬で、マラセチア菌に対して高い殺菌力を持っています。
なので、使用する事でマラセチア菌の減らし、同時に皮脂をしっかりと落としてくれます。ただし、注意する事として、非常に脱脂力が強いため、ケトコナゾール配合のシャンプーを毎日使うのはやめてください。
毎日このシャンプーで洗髪すると頭皮が乾燥しすぎてしまい、かえって頭皮環境が悪化します。
1週間に2~3回程度シャンプーし、それ以外の日は普段使用している普通のシャンプーを使って髪を洗うようにしましょう。そうする事で頭皮のフケが抑えられるようになります。
乾性フケはカサカサして小さい
頭皮が乾燥状態になってしまうと、頭皮が痒くなったり、パリパリと剥がれ落ちてしまいます。この落ちてくるものが乾性フケです。
この乾性フケは脂性フケに比べると、サイズは小さく、カサカサと軽い感じで頭皮から落ちていきます。では、早速この乾性フケができる理由、すなわち頭皮が乾燥してしまう理由について説明します。
洗浄力の強いシャンプー
頭皮が乾燥する原因は、洗浄力の強いシャンプーによる皮脂の取りすぎです。
シャンプーは、本来頭皮についている汚れを落とし、頭皮を清潔にするという役目があります。しかし、洗浄力の強すぎるシャンプーで洗髪すると、頭皮にとって必要不可欠な皮脂までも取ってしまい、結果として、油分がなくなってしまいます。
油分がなくなってしまうと、頭皮内にある水分がどんどん蒸発してしまい、結果として、頭皮が乾燥して、乾性フケが発生します。
では、この場合の対策して、何をすれば良いのかというと、それは簡単で、洗浄力の強いシャンプーで洗髪するするのをやめれば良いという事になります。
洗浄力の強いシャンプーというのは、別名高級アルコールシャンプーというもので、シャンプーのラベルに以下の成分が含まれているものが洗浄力の強いシャンプーとなります。
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸カリウム
- パレスー3硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
- スルホン酸ナトリウム
もし、髪の毛からぱらついたフケが落ちてきたり、頭皮に痒みを感じた場合は、自分の使っているシャンプー内にこれらの成分が含まれていないかを確認してください。そして、もし含まれていた場合、1度洗浄力の弱いシャンプーに変えてみてください。
乾燥しやすい時期
また、空気が乾燥することによっても、頭皮は乾燥します。日本においては、晩秋から冬にかけてが1番乾燥しやすくなり、それに伴って、乾性フケの発生も増加する傾向にあります。
冬場に空気が乾燥する原因は、エアコンを使うことによる温度上昇です。
温度の上昇と乾燥については、中学校の理科で習う飽和水蒸気量(空気中に存在できる水蒸気の量)というものが関係します。温度が上昇すれば、この飽和水蒸気量があがるため、相対湿度(水蒸気の量/飽和水蒸気量)が下がります。
湿度が下がるということは、乾燥するということです。この温度上昇と乾燥について詳しく知りたい方は、こちらの記事を見てください。
では、部屋を乾燥させたくなかったら、部屋の温度を上げなければいい、という事になりますが、実際にそういうわけにはいきません。そこで、部屋を暖かくしても、乾燥しない方法を説明します。
まず、1つ目がエアコンではなく、灯油やガスを燃料としたストーブやファンヒーターを使って暖房することです。なぜなら、石油ストーブやガスファンヒーターの場合、燃料である石油やガスを燃やす時に、たくさんの水蒸気が発生するからです。
発生する水蒸気の量は、消費した燃料の約1.1倍で、十分すぎる水分量だという報告が出ています。
2つ目は、加湿器による人工的な加湿です。加湿器は、スチーム式、気化式、ハイブリット式、超音波式と4種類ありますが、どれを使っても問題ありません。自分の好みに合うものを使ってください。
目安となる湿度は、40%~60%くらいで、これ以上は加湿しないようにしましょう。必要以上に加湿しすぎると、逆にカビなどが発生し、頭皮環境を悪化させてしまうので、注意してください。もし不安に思われるなら、湿度計を部屋においてみてください。
湿度をうまくコントロールして、乾性フケが発生しないように頑張りましょう。
他にもこんな頭皮の悩みありませんか?
頭皮ににきびができる人は、下のような頭皮トラブルも併発しやすいです。心当たりがある人はしっかりとチェックしておきましょう。
また、頭皮に関する悩みを解消するのために以下のものをチェックしておいてください。
あなたの髪大丈夫ですか?
頭皮にトラブルがある場合には、そのダメージから脱毛しやすくなります。もし、その傾向が出ていたり、不安がある人は、当サイトの薄毛危険度診断を受けてみてはいかがでしょうか?
当サイトの薄毛診断は、合計26個の質問から、薄毛進行状況、頭皮、生活習慣、ストレス、遺伝の5つの状態をチェックします。
そして、その5つの状態から、最終的な薄毛危険度を1~100で表します。
また、危険度が高い場合には、その原因を説明し、簡単な対策法をアドバイスします。ぜひやってみてください。







